2008年08月25日

公衆トイレに住み込み、中国の格差

「トイレ守」一家住み込む北京の公衆トイレ…汚名返上へ
 【北京=梅村雅裕】北京市が不衛生で知られる公衆トイレの汚名返上に躍起だ。

 五輪期間中は、利用者が1人出て行くごとにモップを手にした清掃員が掃除。住み込みの「トイレ守」も活躍している。トイレを改築し、利用マナー向上を呼びかけてきた同市では、閉幕が近づいても「最後まで気を抜くな」と清掃員を督励している。

 「監督官の巡回は1日に5〜6回。市の環衛局幹部が来たこともある」。繁華街・王府井の公衆トイレ。清掃員の伍自春さん(35)が語る。開幕前は1日1〜2回の巡回だった。「五輪開催中は特に汚れに注意するよう言われている」という。

 伍さんが担当するトイレの入り口の脇に3畳ほどの小部屋がある。室内に2段ベッドと冷蔵庫。お昼が近いため、床の上で炊飯器が蒸気を上げていた。

 「子どもは夏休みで遊びに来ているだけ。普段は夫と2人暮らしなの」。妻の張立珍さん(33)は、伍鵬君(7)の頭をなでた。仕事は、トイレ掃除と紙の補充。公衆トイレに住み込みで働いているのだ。

 安徽省で農業をしていた伍さんは、昨年この職を得た。給与は2人で2000元(約3万円)。大卒初任給より1000元少ないものの家賃や光熱費はゼロで、成績次第でボーナスもある。「水を流さない人は減り、利用者のマナーも良くなった。仕事に満足している」。張さんは言う。

 旅行者は使用をためらうほど不衛生だった中国のトイレ。仕切りがなく、他の利用者と顔を合わせることから「ニーハオ・トイレ」とも呼ばれた。

 北京市がトイレ改革に乗り出したのは、五輪開催が決まった2001年から。改築、新築を重ねて、仕切りも当たり前となり、清掃員も大増員した。住み込み式は1700か所。格付けもあり、三つ星や四つ星などの認定証を掲げたトイレもある。

 評判は上がった。ボート女子のオランダ代表で銀メダルに輝いたエスター・ウオルケル選手(33)は「故宮の公衆トイレに行ったら思いの外きれいだった」。エチオピアのマラソンコーチ、ゼラレム・デスタさん(58)も「20年間で10回ほど北京に来たが、随分清潔になったと思う」と満足そうだ。

 もっとも昔ながらの平屋街「胡同」の裏通りには、今もニーハオ・トイレが残る。近くの飲食店従業員の女性(22)は「こんなの時代遅れ」と話す。それでも家庭にトイレがない胡同では公衆トイレは生活の一部。近所の男性(44)は「子どもの時から利用しているし、何も気にならない」と話していた。

(2008年8月23日10時53分 読売新聞)

 公衆トイレに住み込みで働く、というのはあの国ならではのことのように思います。

 さて、中国の公衆トイレといえば、仕切りがなく外の人から丸見えの姿で用を足さなければならないという「ニーハオトイレ」がお馴染みです。
 私も、2001年以前に中国に行った人から、「ニーハオ・トイレ」の存在を知らされたので、中国に行った観光客は困るだろうな、と思いました。

 それが、2001年から公衆トイレの改革が始り,格付けもあり、三つ星や四つ星などの認定証を掲げたトイレも現れました。

 中国人はマナーが悪いことで有名になった感がありますが、オリンピックは中国の虚栄の面子がかかった重大な国威発揚式典であります。だから少しでもイメージが悪くなる――もっとも、これまで書いてきたように、さまざまな虚飾が明らかになって、結局イメージは悪くなったように思われますが――要因は排除しなければならないという事情が伺えます。
 そういうわけで「監督官の巡回は1日に5〜6回。市の環衛局幹部が来たこともあ」り、開幕前は1日1〜2回の巡回が行われました。

 これを支えたのは,公衆トイレに住み込みで働いている人々でこれが1700ヶ所あるといいます。
 以下は、住み込み式の公衆トイレを目撃した方の証言です。
2007年11月13日
延友陽子のいつもNobi Nobi 北京事情
・・・略・・・
一方、オリンピックに向けて北京の「公衆トイレ」も見違えるようでした。
以前は扉も仕切りもない、穴だけのトイレで困ったものです。
でも今回は星の数で清潔度が示され、
観光客も利用しやすくなっていました。

ふと目をやると、公衆便所の一角に4畳ほどの部屋があり、
少年と少女が
…。地元の人に聞くと、そこに住んでいるのだとか!!

何とトイレの清掃をしながら、お給料を貰い、
住み込みで働いているのです。
地方から出てきた失業者対策を兼ねているというのですが、
胸が詰まる思いでした。

格差が問題となっている、北京の光と影を見た気がしました。

 地方から出てきた失業者対策を兼ねているそうですが、読売の記事に出てくる夫婦も、「安徽省で農業をしていた」とあります。
 中国の農民は貧しい生活環境にあるということはよく言われています。3年程前、NHKで、売血(註:血を売って生計を立てる)によってエイズに感染する貧しい農民が増えているという中国特集があったことを記憶しています。
  
 公衆トイレに住み込みというと悲惨な感じがしないでもありませんが、住み込みで公衆トイレで働く人々はまだいい方で、農村から出稼ぎで出てくる民工は労働現場の安全さえも脅かされています。

 中国はさまざまな矛盾を抱えていることが指摘されてきました。とりわけ今年に入って顕著に表れてきました。
 「格差が問題となっている、北京の光と影」と延友さんは書いていますが、昔ながらの「胡同」の裏通りにはニーハオ・トイレが残っている――観光客の目に付かないところはなおざりになるようです――ことも、中国の格差を象徴しているといえます。

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posted by つるり at 17:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 中共 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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