【主張】田母神氏招致 本質的議論聞きたかった 産経新聞
2008.11.12 03:08
先の大戦を日本の侵略とする見方に疑問を示す論文を発表したとして、航空幕僚長を更迭された田母神俊雄氏が、参院外交防衛委員会に参考人として出席し、更迭の経緯や文民統制に関する質疑が行われた。
しかし田母神氏の発言はあらかじめ制限され、質疑は懲戒処分とせずに退職させた防衛省の責任に集中した。安全保障政策や歴史観をめぐる自衛隊トップの発言がどれだけ許容されるのか、論文内容のどこが政府見解や村山富市内閣の「村山談話」に抵触し、不適切かといった議論は素通りした。
本質を避ける政治の態度が、憲法論や安保政策のひずみを生んできたのではないか。
委員会の冒頭、北沢俊美参院外交防衛委員長は「参考人が個人的見解を表明する場ではない」と指摘し、質問に対する簡潔な答弁だけを認める方針を示した。このため、田母神氏が論文の真意や歴史認識についてまとまった考えを示す機会は失われ、答弁の多くは浜田靖一防衛相が立った。
このような委員会運営となった背景には、田母神氏に持論を展開する場を与えたくない与野党共通の思惑もあったとされる。
政府は田母神氏を更迭する際にも本人に弁明の機会を与えなかった。政府見解や村山談話を議論することなく、異なる意見を封じようというのは立法府のとるべき対応ではない。
田母神氏は、論文で示した見解は今でも正しいと考えており、政府見解や村山談話を逸脱するものではないと主張した。理由の一つとして「村山談話は具体的にどの場面が侵略だとまったく言っていない」と指摘し、政府見解による言論統制への反発も示した。政府や与野党議員はこれに十分反論できただろうか。
政治の軍事に対する統制は確保されなければならず、田母神氏が部外への意見発表の手続きをきちんととらなかった点は問題だ。ただ、集団的自衛権を見直すなどの本質的な議論を制限することがあってはなるまい。
この問題を契機として、民主党は自衛隊の統合幕僚長や陸海空幕僚長の4人を国会同意人事の対象とする考えを打ち出した。何を基準に人選するのか。歴史観など思想統制につながるものなら許されない。政府・与党にも事態収拾の一環として導入を検討する動きがあるが、慎重に対処すべきだ。
田母神氏は持論を展開した論文を発表し更迭されました。しかし、田母神氏の持論のどこが問題なのかということを野党は追及することなく、文民統制をダシにしてお茶を濁したものとなりました。
そもそも、田母神氏の論文には防衛に関する情報が含まれているものではなく、氏の思想を披露したという色彩が濃いものです。政府見解と異なる趣旨の論文を投稿したことが懲戒処分に値するとは、いくら田母神氏に不利になるよう判断しようとも、無理な話です。
だからこそ、田母神氏が求めた懲戒免職の審理を開かずに、更迭し定年退職扱いとしたのです。
政府側の更迭したことが裏目に出ないように田母神氏にできるだけ発言させたくないという意向と、野党側の田母神氏の論文をダシにして政府を追及したいという党利党略的な意向があったように思いますが、しかし、両者ともに田母神氏を更迭するに値する確たる根拠を見出すことができないため、田母神氏が持論を展開することを恐れ、どこが村山談話などの政府見解と異なるのかという議論に踏み込めなかったのでしょう。
どこが村山談話や政府見解と異なり田母神氏はどのように考えているのか、論点を明確にすることで広く国民的な議論を呼ぶことは大変有意義であったと思いますが、政府も野党もここから逃避してしまったことに対し非常に残念でなりません。
また、民主党は自衛隊の統合幕僚長や陸海空幕僚長の4人を国会同意人事の対象とするなどと言っていますが、文民統制にかこつけて、国会による思想統制につながるのであれば、正常な文民統制の体をなしていないといわねばなりません。
そもそも、文民統制とは国民が選んだ国民の代表が最終的な判断軍事の決定権を持つ、というものであり、軍人の内心を統制することではありません。
11日の参考人招致は政府見解と田母神氏の論文の違いを明らかにして国民的議論を呼ぶ機会から逃避するのみならず、一人の愛国心を持つ軍人の思想を圧殺し、これが今後も起こりうる可能性を開く、汚点を残したものとなり危惧するところであります。
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参照:【田母神氏招致・詳報】(1)「後世の歴史の検証に耐えうる質疑を」委員長冒頭発言


コメントありがとうございます。
13日にコメントをいただいておきながら記事アップが遅れたことお詫びいたします。
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