政府税調:「海外利益の国内還流税制」導入を提言
政府税制調査会が28日提出した09年度税制改正答申で唯一、具体的に提言したのが「海外利益の国内還流税制」の導入。日本企業が海外子会社から受け取った配当を非課税にする制度で、「還流利益が国内の設備投資や雇用に回れば、日本経済の活性化につながる」と期待する。
日本の法人税の実効税率(約40%)が先進国中で最高水準であることを背景に、日系企業が海外子会社の配当を日本で受け取る場合、海外の法人税との差額分の納税を迫られる場合がある。このため、トヨタ自動車など大手企業を中心に海外であげた利益を現地にとどめる事例が増えており、日系企業の海外滞留資金は17兆円を超えるとみられる。
答申はこうした状況の打開を提案したが、「法人税率が高いままでは、企業にとって日本より海外で投資をした方が有利な状況は変わらない」(エコノミスト)との指摘もある。【赤間清広】
毎日新聞 2008年11月29日 0時32分
「還流利益が国内の設備投資や雇用に回れば、日本経済の活性化につながる」との期待がありますから、「海外利益の国内還流税制」の導入は是非とも実施していただきたいと思います。
日系企業の海外滞留資金は17兆円を超えるとみられます。しかし、現行の「全世界所得課税制度」では、日系企業が海外子会社の配当を日本で受け取る場合、海外の法人税との差額分の納税を迫られる場合があります。
税金という形で余分なコストがかかるとなれば、わざわざ利益を日本本国に還流させようという発想にはなりません。企業は利益を追求する事業体ですから当然です。
海外利益を還流してもらうためには、それなりのインセンティブがなければなりません。
ただ、「法人税率が高いままでは、企業にとって日本より海外で投資をした方が有利な状況は変わらない」という指摘もありますから、法人税の減税も検討されてしかるべきでしょう。
さらに、同族企業の留保金課税や、特定企業の社長の給与所得控除の損金不算入という悪弊を廃止することは、中堅中小企業の経営環境を良くするために必要ですから、これはいち早く実施するべきだと思います。
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