2008年11月29日

海外利益還流の促進を。

政府税調:「海外利益の国内還流税制」導入を提言
 政府税制調査会が28日提出した09年度税制改正答申で唯一、具体的に提言したのが「海外利益の国内還流税制」の導入。日本企業が海外子会社から受け取った配当を非課税にする制度で、「還流利益が国内の設備投資や雇用に回れば、日本経済の活性化につながる」と期待する。

 日本の法人税の実効税率(約40%)が先進国中で最高水準であることを背景に、日系企業が海外子会社の配当を日本で受け取る場合、海外の法人税との差額分の納税を迫られる場合がある。このため、トヨタ自動車など大手企業を中心に海外であげた利益を現地にとどめる事例が増えており、日系企業の海外滞留資金は17兆円を超えるとみられる。

 答申はこうした状況の打開を提案したが、「法人税率が高いままでは、企業にとって日本より海外で投資をした方が有利な状況は変わらない」(エコノミスト)との指摘もある。【赤間清広】
毎日新聞 2008年11月29日 0時32分

 「還流利益が国内の設備投資や雇用に回れば、日本経済の活性化につながる」との期待がありますから、「海外利益の国内還流税制」の導入は是非とも実施していただきたいと思います。

 日系企業の海外滞留資金は17兆円を超えるとみられます。しかし、現行の「全世界所得課税制度」では、日系企業が海外子会社の配当を日本で受け取る場合、海外の法人税との差額分の納税を迫られる場合があります。

 税金という形で余分なコストがかかるとなれば、わざわざ利益を日本本国に還流させようという発想にはなりません。企業は利益を追求する事業体ですから当然です。
 海外利益を還流してもらうためには、それなりのインセンティブがなければなりません。
 
 ただ、「法人税率が高いままでは、企業にとって日本より海外で投資をした方が有利な状況は変わらない」という指摘もありますから、法人税の減税も検討されてしかるべきでしょう。
 さらに、同族企業の留保金課税や、特定企業の社長の給与所得控除の損金不算入という悪弊を廃止することは、中堅中小企業の経営環境を良くするために必要ですから、これはいち早く実施するべきだと思います。

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2008年08月22日

スウェーデンと同じ過ちを犯さないための税制

高齢の親と同居なら減税拡大? 総選挙控え浮上 朝日新聞
2008年8月19日1時49分
 09年度税制改正で、70歳以上の親と同居している世帯を対象に、所得税の減税を拡大する案が浮上している。総選挙を控え、高齢者対策の1項目として検討が進む可能性がある。ただ、家族との同居などライフスタイルに関係なく公平な税制を目指す最近の税制改正の流れには逆行することになり、反発の声もあがりそうだ。

 「個人としての考えだが、家族同居を推進するということであれば老親扶養加算を少し(多く)とってあげたらどうか」。伊吹財務相は今月初めの就任会見でこう述べた。
 高齢の親との同居に伴う減税は、所得税控除の「同居老親等加算」といわれる。70歳以上の親と常に同居している場合、所得税の控除額が親1人につき10万円ずつ増える。

 後期高齢者医療制度の導入で、子供の健康保険の扶養家族となっていた高齢者からも保険料が徴収されることになった。伊吹財務相は「従来一番日本が伝統的に大切にしてきた家族」を重視し、同居を促す別の仕組みがあった方が良い、との考えを会見で披露した。

 同居老親等加算により、現在は総額約300億円の税金が免除されている。仮に控除額を2倍にした場合はさらに同額の税収減となる。景気後退で法人税収の落ち込みが懸念されるなか、減税を拡充すればさらに厳しい財政運営を迫られるのは必至。伊吹財務相も現時点では、「財政事情が許さなければできない」としている。 (略)

 所得税控除の「同居老親等加算」は、現在所得税の控除額が親1人につき10万円ずつ増えるというもので、規模は総額約300億円の税金が免除にすぎません。
 政策として「従来一番日本が伝統的に大切にしてきた家族」を重視するというのであれば、高齢の親との同居を促す老親扶養加算の拡充も一つの手段であるといえます。

 ライフスタイル云々をもって老親扶養加算の拡充に反発する声も上がりそうだという見方もありますが、昨今は「家族の崩壊」ということが言われて久しいという状況にあります。
 スウェーデンでは、「個人の自由」を求めた結果、子供の真の福祉が脅かされています。
 その「家族」というものを「崩壊」させない、崩壊することを食い止めて家族の絆を取り戻す意思表示としての税制は、あってしかるべきだと思います。

 かつて、老親は家族で支えていました。しかし、福祉国家では社会で支えるという傾向になってきまっした。年金制度がその好例です。
 確かに福祉国家では、経済力のない高齢者や障害者等をさせてきたという良い面があるということは言えるでしょう。しかし、それによって廃用症候群のように、家族の役割が低下して、家族との絆が薄れるといった好ましくない現象が起きているということは言えるのではないでしょうか。

 たとえば、スウェーデンは「福祉国家」として有名です。しかし、福祉国家の影の部分が出てきていることもまた事実です。そして、家族は崩壊し、スウェーデンの福祉国家モデルは綻びをきたしています。
 日本は幸いここまでには至っていません。スウェーデンと同じ轍を踏まないため、老親扶養加算に限らず、扶養控除を拡充する減税によって、家族の絆を重視するという意思表示を税制によって示すべきです。

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2008年08月01日

朝鮮総連施設への減免、大幅縮小

朝鮮総連施設への減免措置、大幅に減少 総務省調査 産経新聞2008.7.31 21:45
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の本部、支部などの関連施設が所在する全国130自治体のうち、関連施設への固定資産税の全額を減免している自治体が前年度の4分の1の7自治体にまで減少したことが、総務省が31日にまとめた平成20年度の課税状況調査から分かった。一部減免を実施している自治体も減少傾向にあり、6割以上の自治体で朝鮮総連の特別扱いをやめている。

 内訳をみると、全額減免している自治体は、前年度から21減少し、北海道釧路▽同苫小牧▽福島県会津若松▽長野県松本▽岡山▽広島県大竹▽山口県周南の7市だけとなった。一部減免の自治体は、17市減って34市町となった。

 一方、まったく減免措置を取らずに課税しているのは85都市。今年度から、何らかの形で減免措置を見直した自治体は前年度24市の倍近くに上る42都市町。このうち北海道帯広▽愛知県豊田▽佐賀−など14市は、全額減免から一転して「減免なし」に見直した。全額減免を一部減免に見直したのは、前橋▽群馬県桐生▽岡山県備前▽同津山の4市と福岡県水巻▽同苅田の2町一部減免から減免なしに見直した自治体は20都市に上った。

 また、金沢▽岡山県倉敷▽広島▽福岡県飯塚の4市は、課税措置を決めておらず「検討中」と回答した。

 総務省は減免する自治体が減った理由について、「朝鮮総連施設への減免措置の取り消しを確定した平成19年11月の最高裁判決が影響した」とみている。


 久々の明るいニュースです。
 朝鮮総連関連施設への固定資産税の全額減免措置を実施している市町村が前年度の4分の1になり北海道釧路▽同苫小牧▽福島県会津若松▽長野県松本▽岡山▽広島県大竹▽山口県周南の7市だけとなりました。
 また、金沢▽岡山県倉敷▽広島▽福岡県飯塚の4市は「検討中」という段階。
 
 この7自治体と検討中の4自治体には朝鮮総連施設への減免措置の取り消しを確定した平成19年11月の最高裁判決があるわけですから、躊躇することなく全額減免を廃止して課税を実施していただきたいと思います。
 これらの自治体にお住まいの皆様には是非とも役所に減免の廃止を求めてください。お住まいでない方もメールで減免の廃止を求めましょう。
 
 それから、前橋▽群馬県桐生▽岡山県備前▽同津山の4市と福岡県水巻▽同苅田の2町は、全額減免を一部減免に見直しました。
 一部減免から減免なしに見直した自治体は20都市ありますから、あと一歩です。頑張ってください。

 減免を続けている自治体は余程財政に余裕があるのかもしれませんが、そうであるのなら、全ての市民を対象に税の減免を行うべきです。朝鮮総連という在日朝鮮人の団体だけを対象とするのでは公正性に欠けます。
 それに、平成19年11月に最高裁が朝鮮総連施設への減免措置の取り消しを確定したわけですから、速やかに最高裁判決を尊重していただかなければなりません。

 それでも減免を続けるならば国や県の交付金や補助金を辞退していただかなければなりません

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2008年05月04日

海外所得還流、税免除はあたり前。

企業所得12兆円、海外に滞留…還流へ税免除検討へ

 日本企業が海外子会社を通じて稼いだ所得を日本に戻さない傾向を強め、海外子会社にためた資金の残高が2005年度末に約12兆円まで膨らんだことが、経済産業省の緊急調査で分かった。

 所得が還流しない状況を放置すれば、国内での研究開発や設備投資に十分な資金が回らず、日本の成長力促進に悪影響を及ぼす懸念が強い。背景には、主要国と比べて、企業の国際展開に対応できない日本の税制の不備がある。

 甘利経産相は読売新聞のインタビューに応じ、海外所得の国内送金に対する課税を免除する方向で、政府・与党内の調整を急ぐ方針を示した。

 経産省は、「今の税制では海外子会社の所得を日本に送金しにくい」(島津製作所)という産業界の強い声を踏まえ、年明けに調査を行った。

 その結果、海外子会社の経常利益は05年度には7兆6000億円に増えたが、親会社への配当は約8600億円(04年度)にとどまるなど、03年度から海外の滞留資金が急増し、年間2兆円ペースで推移している実態が浮き彫りになった。

 日本企業は、国内で先端的な研究開発に資金をつぎ込み、海外で競争力を高めてきた。今後も世界市場で強みを維持するためには、技術開発投資の拡大が欠かせず、海外所得をいかに還流させるかが課題になっている。

 産業界からも、「国内での研究開発を制約しかねない」と制度改善を求める声は強い。

 資金が海外に滞留しやすいのは、今の税制の仕組みでは、日本の親会社に資金を移せば、国内外での課税額の合計が、海外に資金を置いたままの場合よりも増えるケースが多いためだ。

 このため、経産省は、親会社が海外から受け取った所得に対して、日本国内で課税しない制度(国外所得免除制度)への転換を求める方針だ。経済協力開発機構(OECD)加盟国では、この方式が主流になっている。

 甘利経産相は「日本の経済成長を支えるためには、海外からの資金還流を促すべきだ」と指摘、年末の税制改正で実現を図る方針だ。

(2008年5月4日03時00分 読売新聞)


 海外の子会社が海外で稼いだにもかかわらず、日本の親会社が海外から受け取った所得に対して、日本国内で課税している状況というのは、正常とは思えません。
 日本の親会社と海外の子会社は、同一の企業グループであるわけですから、そのグループ内でお金が動いたことにいちいち課税されるのは馬鹿馬鹿しいことです。

 海外で稼いだ資金が日本に還流されないのは、「今の税制では海外子会社の所得を日本に送金しにくい」から。
 わざわざ、余計に税金を払ってまで還流させるよりも、海外であそばせておいた方がメリットがあるというのでは、還流が促進されることはないのは自明です。

 親会社が海外から受け取った所得に対して、日本国内で課税しない制度(国外所得免除制度)の実現を図るそうです。OECD加盟国では、この方式が主流となっています。

 所得が還流しない状況を放置すれば、国内での研究開発や設備投資に十分な資金が回らず、日本の成長力促進に悪影響を及ぼす懸念が強いという状況を打開する税制ですから、導入はできるだけ早いほうがいいでしょう。
 主要国と比べて、企業の国際展開に対応できない日本の税制の不備を是正してこそ、より効率的な投資が促進され、それが国内の景気浮揚に結びつけば国民全体の生活水準も一層向上するというものでしょう。

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2008年01月16日

福田首相の経済無策?

 何もしない内閣が福田内閣。まぁ、それはそれで悪いほうにも何もしないなら歓迎ですが。
08年税制改正後、年4224億の増税に
 政府は、2008年度税制改正によって、時限的な証券優遇税制などが終わった後の平年度ベースでは、国、地方を合わせて4224億円の増税になるとの試算をまとめた。

 08年度は合計約70億円の減税が見込まれているが、2010年末に証券優遇税制の期限が切れるなど後から増税が相次ぐためだ。

 最も大きな増税になるのは、証券優遇税制の期限切れだ。上場株式などの配当に年100万円まで10%の軽減税率を適用する優遇税制は、09年1月から2年間の時限措置で、11年はじめから増税になる。機械的な試算で、11年度以降は国、地方合わせて年間3826億円の税収増が見込まれている。土地取引の登録免許税の軽減税率も10年度以降はなくなるため、770億円の税収増となる。

 ただ、税制改正は09年度以降も行われるほか、証券優遇税制のうち上場株式などの売却益に対する部分は試算に入れておらず、実際の税の増収額は大きくぶれる可能性がある。

(2008年1月12日21時44分 読売新聞)


 安易に増税しても、無駄な支出が増えたり、かえって税収が減る可能性があるということを考慮しなければなりません。
 歳出が増えれば、歳出削減に払うエネルギーもそれだけ増えます。また、景気に悪影響を与えて税収が減れば、何のための増税の意味がなくなります。
 
 証券優遇税制の期限切れと、土地取引の登録免許税の軽減税率の期限切れは、回避して、”軽減措置”ではなく、”恒久減税”にしてしかるべきでしょう。
 だいたい、証券取引で、儲けたり損したりしても、誰かに迷惑をかけることではありません(例外的に、信用取引などの追証で家族に迷惑がかかることもありますが)。経済的に苦しい人たちが証券取引を行うことは考えにくいことです。だから、金持ちが株で儲けて、株で損した貧乏人から搾取するということは起こりえません。
 
 富裕層と貧困層との格差を縮小させたいならば、減税することです。富裕層の寄付を促進させれば、貧困層の生活改善のために資金が有効に活用されうる。

さて、上記の記事から時間がたたないうちに株が暴落しました。
東京市場の株安止まらず 投資家、投げ売り朝日新聞 2008年01月15日22時30分

 東京市場の株価下落に歯止めがかからない。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題をきっかけとする米景気の先行き不安に、円高ドル安による国内企業の業績悪化懸念が加わり、「買うための材料が乏しい」(大手証券)状況だ。外国人投資家や個人投資家らが損失拡大を恐れて株の売却を急ぐことで、株価下落に拍車をかける悪循環に陥っている。

 株安を引き起こした米サブプライム問題の深刻化に伴い、ドルも売られた。円高ドル安が進み、輸出企業の業績悪化懸念や、国内景気の先行き不安も広がり始めた。「衆参両院の第1党が異なる逆転国会で、規制緩和などの必要な改革が遅れている」(大手証券)という政治への不満も、市場に噴き出している。

 インターネット証券幹部は「日経平均が1万4000円を割り込んだことで投資家心理が急速に悪化した。個人投資家の投げ売りが止まらない」と指摘する。東証の売買の6割を占める外国人投資家も売り姿勢を強める。株価の下落率が一定水準を超えると、損失の拡大を防ぐために株式を自動的に売却するプログラムの存在が株価下落を加速している、という指摘もある。

 証券会社に保証金を入れて資金を借り、株を買っている個人投資家の中には、含み損が拡大して保証金が不足し、追加の保証金(追い証)を支払わなければならない人が急増。ある証券会社では、15日に追い証が発生した投資家数が1週間前の約20倍に膨らんだという。

 株価が下落しているのは東証1部だけではない。個人の取引が多い新興企業向け市場でも、大証ヘラクレスの株価指数の15日の終値が、前週末比77.26ポイント低い996.51となり、03年7月の指数開始以来の最安値を更新。ジャスダックや東証マザーズの株価指数も大幅に下落した。

 大手ネット証券の幹部は「株価下落は個人投資家を直撃している。当面は投資家心理が改善するのは期待しにくい」と指摘している。


 福田政権はこれといった政策をしたいというものが内容に思います。それはそれで、悪いほうになるようなこと(人権擁護法案や外国人参政権法案など)もしないならば、歓迎しますが。

 せめて、減税という唯一の善行を積むのが亡き福田赳夫先生に対する親孝行でもあり、また本人のためにもなる話です

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2007年11月28日

税収52兆円、役人は足るを知れ

07年度税収:想定下回り52兆円台に
 07年度の国の一般会計予算の税収が当初予定の想定額を約8000億〜9000億円程度下回り、52兆円台後半となる見通しであることが26日分かった。景気回復で大幅増収を見込んでいた法人税収のうち、中小企業の税収が当初予想ほど伸びないことが主な理由。税収が当初の想定額を下回るのは02年度以来、5年ぶりとなる。年末に編成する07年度補正予算案で税収は減額となる。ただ、日本郵政公社の納付金6500億円が税外収入に加わるほか、06年度決算の剰余金(8286億円)などもあり、補正予算で国債の新規発行は回避される見通しだ。

 07年度の国税収入は、昨年末に策定した当初予算で53兆5000億円と見込んでいた。その後、法人税収が伸び悩むなどして、今年7月に確定した06年度税収実績が補正予算後の見通しを1兆4000億円下回ったため、07年度税収も下振れリスクが指摘されていた。

 07年度補正予算案は、与党が合意した高齢者医療費負担増の一部凍結(約1500億円)、小規模農家への補助金拡充など農業対策(約1000億円)のほか、災害対策費数千億円などを計上する見通し。このほか原油高対策やテロ対策特別措置法の期限切れを受けたアフガニスタン支援なども加わり、歳出はさらに膨らむ可能性がある。しかし、国債の利払い費が当初の想定よりも低くなるほか、歳入では日本郵政公社が利益の一部を国に納める納付金があるため、新たな国債発行は必要ない見通しとなった。【須佐美玲子、森山知実】

毎日新聞 2007年11月27日 2時30分


 07年度の税収は52兆円に達したそうです。
 予想よりも下回りましたが、日本郵政公社の納付金6500億円が税外収入に加わるほか、06年度決算の剰余金(8286億円)などもあり、補正予算で国債の新規発行は回避される見通しとなったことは運がいいといえるでしょう。

 財政危機(註:国債の約95パーセントは国内の投資家が買っている、また、国内証券会社のMRFは一年満期割引国債や政府短期証券で運用されており、国民一人当たりの借金というよりは、国民一人当たりの資産といったほうが正確)だとか、社会保障費が増えるとか話題になっていますが、52兆円といわれると、素朴にすごいと思います。

 52兆円はGDPの一割に相当するわけですが、それでも本当に財源が足りないのでしょうかとつくづく思います。
 「組織は、ひとたび成立すると、仕事の有無とは関係なく肥大化する」という「パーキンソンの第一法則」、そして、「(政府と言うものは)お金は入っただけ、必ず使う」という「パーキンソンの第二法則」を以前紹介しましたが、本質を突いているなとつくづく思います。

 国防や東シナ海ガス田開発、農業、災害対策、ばら撒きを除く地域活性化、治安など、本当に必要なことには惜しまず税金を費やしていただきたいと思いますが、仕様もない、単なる惰性で使っている予算は明らかに無駄な歳出ですからそういうものは廃止していただきたいと思います。

 中小企業の税収が当初予想ほど伸びないそうですが、同族会社の役員報酬一部損金不算入のように、税金を搾り取ろうという魂胆は裏目に出ることをよくよく心に留めて深く反省していただきたいと思います。
 上の制度の対象となる基準所得金額(代表者の報酬と会社の所得の合計)が800万円から1600万円に引き上げられ、改善されたとはいえ、そもそもこのようなセコイ、税制は廃止するのが筋です。

 歳出にシビアになることが、唯一の財政再建策であり、経費を広く認めた上で減税することが、税収を増やす唯一の方法であることを役人は肝に銘じよ。

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参照:
  税制改正大綱 サプライズがありました! 谷和也税理士事務所(ブログ)
  同族会社の役員報酬一部損金不算入(オーナー課税)について 近藤実晴事務所
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2007年11月14日

表向きは減税でも、実態は増税

法人税引き下げ、課税企業拡大とセットで…政府税調答申へ
 政府税制調査会(首相の諮問機関)は13日、今月20日をめどに取りまとめる2008年度税制改正の答申で、法人実効税率を引き下げる場合には課税対象企業の拡大とセットで行う必要があると明記する方針を固めた。

 国税の法人税など国、地方税を合わせた法人実効税率は現在約40%で、経済界は「諸外国に比べ高過ぎる」と主張し、引き下げを強く求めている。現在、国内法人の60%以上は税計算上の赤字法人で、法人税を納めていない。政府税調は法人実効税率を引き下げる前提として、税負担が一部の優良企業に偏っている現状を改め、課税の公平性を高める必要があると判断した。

 法人実効税率の引き下げそのものは、08年度改正では見送る方向だ。今後は、課税対象企業を広げる方法として、法人の課税所得を計算する際、過去の損失を最大7年間繰り越せる繰越欠損金の適用期間の短縮などが課題になりそうだ。

(2007年11月14日9時21分 読売新聞)


 政府税調の2008年度税制改正の答申で、法人実効税率を引き下げる場合には課税対象企業の拡大とセットで行う必要があると明記する方針は、表向きは法人税は税率の減税を検討しているように見えますが、実態は増税と同じです。
 現在、国内法人の60%以上は税計算上の赤字法人で、法人税を納めていないそうですが、赤字なのに税金を納められるわけがないはずです。
 大体赤字になっても、それまで納めた税金が還付されるわけではありません。今後は、課税対象企業を広げる方法として、法人の課税所得を計算する際、過去の損失を最大7年間繰り越せる繰越欠損金の適用期間の短縮などが課題にするそうですが、では、赤字で欠損金が生じた場合は、補填しなければ企業運営は厳しくなるわけで、それで、融資(中小企業は銀行の融資への依存が高い)に支障を来たせば雇用にも悪影響を及ぼすのではないでしょうか
 欠損金を繰り越しを認め、税金を免除するということは、ある面では、社会保障と同じわけです。
 
 法人税の税率が下がっても、ほかの税制改悪で、これまで経費として認められていたものが認められなくなり、赤字の企業を税計算上黒字にして課税するのでは、企業(とりわけ中小企業)は弱体化し、日本経済に深刻な悪影響を及ぼすのではと懸念する次第です。

 もしも、増税しなければならないのならば、「とりやすいところ(政治的な声が弱い中小企業など)からとる」のではなく、昨日の在日特権のように「とらなければならないところからまずとる」べきです。

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参照:




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2007年11月12日

安易に増税を検討するな

政府税調、消費税引き上げ答申へ 率・時期は明示せず 朝日新聞2007年11月09日22時03分

 政府税制調査会は9日、08年度税制改正答申の大枠を固めた。社会保障制度の維持のためとして、将来的な消費税率引き上げの必要性に3年ぶりに言及し、株式取引の税負担を軽減する「証券優遇税制」の廃止を盛り込む方針だ。ただ、参院の与野党逆転で、政府・与党が掲げる税制の抜本改革の行方が不透明になっており、消費税率の上げ幅や実施時期は明示しない見通し。答申は、20日ごろにまとめる。

 この日の会合では、特別委員の高木剛氏(連合会長)が、社会保障制度改革の方向性が示されないうちに消費税率を上げる議論を進めることに異論を唱えた。しかし、大半の出席者は「社会保障制度の維持に必要な安定財源として、消費増税が欠かせない」という意見で一致した。

 一方、消費増税による低所得者の負担増を和らげるため「税制と社会保障全体で所得再分配を強めるべきだ」と指摘する意見も多かった。この考え方に沿って、相続税など資産への課税強化の検討も盛り込む方向だ。

 証券優遇税制については、これまでの議論ですでに廃止を提言する方針を固めている。また、「夫婦共働きが増えるといった暮らし方の変化に合わせ、配偶者控除を縮小するべきだ」「企業の国際競争力を強めるためには、法人税の実効税率を下げる必要がある」といった意見も強く、検討課題に挙げる方向だ。

 ただ、消費税など主な税の骨格にかかわる部分は、時期を明示しない中期的課題と位置づける見通し。自民党の税制調査会は今月下旬から具体的検討を本格化させるが、年末の08年度税制改正で、こうした内容が実現する可能性は低そうだ。


 社会保障のためには増税やむなしという方向に話が進みつつあるようです。確かに、いずれは必要になることもあるでしょう。それは否定しません。しかし、安易に増税をすることが本当に問題解決になるのかいささか疑問です。

 そもそも、「他人の金」と「あぶく銭」は無駄遣いされる宿命をはらんでいます。
 あぶく銭は、「悪銭身につかず」という諺の示すとおりです。「他人の金」の話についてひとつ。私は高校の頃、文科系の部活の部長をやっていました。文化祭が近づいた頃、一万円の予算で展示をすることになりました。部活の顧問からは「去年は予算がだいぶ余ったので、できるだけ使い切るように」との指示があり、そのとおり、残金は167円でした。また、父親が自営業(空調設備)なので、個人的に組合(共産党系、でも共産党支持ではない)に入っているのですが、地元の支部(親睦会みたいな感じ)があり、持ち回りで役職につくことになっています。
 最初の頃(10年前)は、支部の現金残高は10万円でしたが、昨年度は3万円強になっていました。毎月一人当たり200円が支部の予算が出ますが、節約しなければという意識は働かないようです。なぜなら、「他人の金」だからです。

 役所が使う予算は国民の税金です。つまり、他人が稼いだ金を使っているわけで、「他人の金」です。用途によってはどんどん使うべきものもあるのですが、無駄遣いも多い。これを何とかしてから増税しない限り、増税は無意味になります。

 それから、消費増税による低所得者の負担増を和らげるため「税制と社会保障全体で所得再分配を強めるべきだ」と指摘する意見という意見に基づいて、相続税など資産への課税強化の検討も盛り込む方向とは、おかしな話です。

 米国は格差社会として有名ですが、世界的な大金持ちも多数います。ビル=ゲイツやウォーレンバフェット、モルガン一族、ケネディ一族、ロックフェラー一族などはほんの一部ですがこれらの資産家を米国が国策で破産させたら、統計上は、格差が是正されます。
 しかし、それで、米国が豊かになるかというと、決してそんなことはないのです。
 問題は、下の層を以下に裕福にするかということです。金持ちを潰すことで問題は解決しない。

 またその一方で、「夫婦共働きが増えるといった暮らし方の変化に合わせ、配偶者控除を縮小するべきだ」「企業の国際競争力を強めるためには、法人税の実効税率を下げる必要がある」といった意見が出たそうですが、配偶者控除を縮小させて格差是正とは変です。また、格差是正を論じる一方で、法人税を下げるとは、矛盾も甚だしい。もちろん、法人減税に反対する立場にありませんが、「留保金課税」や「同族会社の役員報酬一部損金不算入改正」という、姑息な増税策を維持して税率を下げても、無意味です。以前は、受取配当金は全額「益金不算入」といって、課税されませんでしたが、それも一部だけになってしまいました。

 税率を下げても、「損金不算入」対象を増やしたり、「益金算入」を縮小しては、減税にならない。税率が高くても、「損金算入」対象を拡大し、「益金不算入」対象を増やすことの方が、中小企業は救われるし、結果的に減税になると思いますが。


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参照:
同族会社の役員報酬一部損金不算入改正
税制改正項目です 留保金課税、逃げるが勝ち!


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2007年09月15日

政党助成金を廃止しよう

06年の政治資金、22年ぶりに1300億円割り込む
 総務省は14日付官報で、2006年分の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)を公表した。

 3853の政党、政治団体が集めた政治資金の総額は前年比5%減の1268億5200万円と、3年連続で減少した。1300億円を割り込んだのは、1984年(1166億6400万円)以来、22年ぶり。06年は国政選挙がなく、政党、政治団体の資金集めが鈍かったと見られる。支出総額は前年比17%減の1128億9700万円で、82年以来の低さだった。

 収入のうち、寄付は同12%減の220億800万円で、現在の形で集計するようになった76年以降で最低となった。06年から、政党・政治資金団体を除き、政治団体間の寄付が年間5000万円以内に制限されたことなどが影響したと見られる。政党本部の収入に占める政党交付金の割合は過去最高の38%で、交付金への依存がさらに進んだ。支出では、事務所費が12億1000万円(11%)減った。

(2007年9月15日1時46分 読売新聞)


政治資金、減少続く・06年、3年連続 日経新聞 9月15日
 総務省は14日付の官報で、2006年分の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)と政党交付金使途報告書を公表した。3853の政党・政治団体が集めた政治資金の収入総額は05年比4.5%減の1268億5200万円と、3年連続で減少した。支出総額も16.9%減の1128億9700万円だった。06年は大型選挙がなく、政党などによる政治資金集めが低調だったためとみられる。

 「政治とカネ」を巡る問題で注目された支出の経常経費の中の「事務所費」は総額が100億5800万円。05年に比べて10.7%減った。政党を除く政治団体だけを見ると落ち込みは21.2%で、昨年末以降の問題表面化を受けて、報告内容を精査したり、報告後に訂正する動きが相次いだためとみられる。

 企業・団体献金は35億3400万円で05年より3.2%増えた政党交付金の支給総額は05年とほぼ同じ317億2200万円。政党収入(支部含む)に占める割合は1.1ポイント増の36.1%だった。

 政治家が支部長を務める政党支部などの報告は、各都道府県の選挙管理委員会が月末までに発表する地方分の収支報告書で公表される。(00:02)


 政党助成金(政党交付金)の政党本部の収入に占める政党交付金の割合は過去最高の38%となりました。
 一方、企業・団体献金は35億3400万円で05年より3.2%増えたものの、政党助成金との差は非常に大きいものがあります。
 政党にとって政党助成金は不可欠なもの(日本共産党は除く)といえますが、しかし、昨今の「政治とカネ」の問題が取り沙汰される中で、「国民の税金」が不明朗な支出として使われていると感じ、国民の間には不満もあることだろうと思います。

 では、いっそのこと、政党助成金を廃止しては如何でしょう。
 共産党は政党助成金を受けずに党運営ができています。無理な話ではないでしょう。

 しかし、政党助成金を廃止したら、政党運営は経済的に苦しくなるという意見もあります。
 その意見もまたもっともな意見です。
 しかしながら、政治は国民一人一人の思想・信条に帰結するものであり、政党・政治団体に対する寄付は自発的なものであることが好ましいと考えます。
 政党助成金は、そういう意味で適切とは思えません。

 政党助成金を廃止する。しかし、それでは政党・政治団体は困窮する。そこで、政治献金に対する税制上の優遇措置を導入することを提案いたします。個人や企業団体による献金に税制上の優遇措置を与えれば、政治献金が活性化され、政党助成金は必要なくなります。
 
 2007年7月現在の寄付金控除の制度は、
個人の場合、
一、寄付金控除(所得控除)
 所得金額の40%又は特定寄付金の額のいずれか少ない金額−5000円
二、政党等寄付金特別控除(税額控除)
 (その年中に支出した政党等に対する寄付金の額の合計額−5,000円)×30%=政党等寄付金特別控除額

注1:寄付金の額の合計額は原則として所得金額の40%相当額が限度です。
注2:特別控除額はその年分の所得税額の25%相当額が限度です。


企業などの法人の場合は、
一般の寄付金の損金算入限度額の範囲内で損金算入となります。
つまり、
[資本金の額×(当期の月数÷12)×1000分の2.5+所得の金額×100分の2.5]×2分の1=損金算入限度額
となります。


 上記の寄付金制度を拡充することによって、政党助成金の代わりとすることができ、民意を政治に反映させることができるのではないでしょうか

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追記
 政党・政治資金団体を除き、政治団体間の寄付が年間5000万円以内に制限されたとあります。
 政治団体間の寄付でも同じ思想・信条の政治団体ならば寄付することは不自然なことではありません。こういう制限は廃止するべきでしょう。

追記2
 寄付金控除は、個人はだいぶ拡充されていると思われますが、法人の控除は非常に少ないように思われます。
 企業・団体による社会的責任としての寄付をもっと寛容に認めて行くべきでしょう。

参考:
寄付金を支払ったとき 国税庁(PDF)
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2007年08月14日

税高くして国亡ぶ 総論(終わりに)

税法10の鉄則〜肝に銘じておくべき税の原則〜

 1)高率の税制の場合、税率と税収は関係なくなる。
 あまりにも、税率が高いと人は、勤労意欲をそがれ、「これ以上働いてもしょうがない」と思うようになる。これは国力を低下させる。
 2)高率の税金は有能な国民や会社を、または資本を国外に逃亡せしめ、定率の税金は豊かな人や与太かな会社を自国に招き入れる。
 今は、外国に会社を移そうと思っても簡単に移せる時代。個人レベルでも日本に居住の実体がないように心がけ、税金の安い外国で納めるようにしている。
 3)収入を増やすことにエネルギーを使うよりも節税(もしくは脱税)に頭を使った方が得であるような社会は衰退する。
 優秀な人材のほとんどを収入を増やす方にではなく、税金を減らすような仕事につかせるようなことをしていれば、業績は伸び悩む。米国は赤字体質である。同国の優秀な学生の多くは税金と法律の勉強に専念している。
 4)国民の所得を完全に補足しようという考え方自体が悪である。(封建時代でも名君は「四角い重箱を丸い杓子で掬う気持ちでやれ」といった)
 申告しなくても問題ない程度の雑収入まで申告させて税を増やそうという考えはセコイ! サラリーマンの「雇用税」(源泉徴収)を廃止し一律一割の所得税を確定申告し納税者意識を高め、税金の無駄遣いをできにくくしよう。
 5)子孫の為に財産を残せない税制を持つ国家は国家の名に値しない。
 子孫の財産を残したいと思うのは人情。その為に人を脱税という犯罪者にさせたり、借金地獄に落とし込んではならない。
 6)税率は戦争などの非常時以外は―したがって戦争は極力避けるべきである―国民の収入の一割であるべきである。
 7)脱税はよくないが、それよりもよくないのは税金の不正な支出、あるいは不適切な支出である。 
 本当に必要、有益な支出は臆することなく支出すべきだが、予算を使い切る為に税金を支出することは国民の資産の横領と肝に命ずるべきだ。
 8)税金は国民の自助の精神を鼓舞し、自助的配慮を促すものでなければならない。
 社会福祉でも国が一方的に供給するのではなく、国民の自助努力(自分で保険に入り充実させる、社会福祉等のボランティアをし、社会保障に結びつくようにする=維新政党新風が主張してたらしい)が社会保障に反映される仕組みの導入を。
 9)極端な土地の独占を除けば、富の再分配を配慮する税制は悪である。
 土地は有限だが、それ以外の富は有限ではなく無限に拡大する。たとえば、会社を興し軌道に乗せる。株式公開をするほどになれば、新たな富を社会に供給することになる。
 10)税務署員の大幅な削減を伴わないような税制改革は、全て悪である。
 税の徴収はシンプルにした方が経費はかからない。

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2007年08月12日

税高くして国亡ぶ 総論六(相続税篇)

相続税を廃止せよ。

 バブルの頃、無数の小さなビルが建設されました。この理由の一つが相続税です。相続税対策の鉄則は財産は現金で持たないことにつきます。そういうわけで土地に資金が流れます。更地よりも、賃貸不動産にしたら更に評価額が低くなり、銀行から借金して立てたならば借金の分だけ低くなるので無数のビルが建設されたというわけです。
 しかし、バブルの崩壊で銀行から借りた金の返済でにっちもさっちも行かなくなったというわけです。
 もし、相続税がなければ、銀行から借金してビルを建てずに済み、借金地獄に陥る人もずっと少なかったのではないでしょうか。
 相続税そのものも問題ですが、「遺留分」も問題だといえます。遺産を残す人の意思に関係なく、遺産の半分(遺留分)は国が誰に残すか決めてしまうのです。
 日本企業の98パーセントは中小企業です。日本経済は中小企業が支えているといえます。事業が軌道に乗り結構な収益を上げるようになると、「こんなに儲けてしまったら、相続税がたいへんだ。儲け過ぎるのも考えものだ。」と、好業績を上げるのを喜べないのは虚しいものです。
 また「遺留分」によって、できの悪い被相続人に遺産が渡ると、経営のことに余計な口を挟み、企業の重要な決定に悪い影響を与える恐れもあり、会社を大きくしても仕方ないと後ろ向きの考えになることで、我が国はどれだけ損していることか分かりません。
 また、相続税を安く済ませるには、会社を赤字にすることが一番手っ取り早い方法です。その為かどうかはしりませんが、日本の中小企業の70パーセントは赤字であるといわれています。
 中小企業のオーナーが、後顧の憂いなく企業の発展に邁進できる環境にする為には相続税の廃止と遺留分の縮小が必要だと思います。渡部氏は「遺留分」廃止を主張されていますが、私は「被相続人の生活の基盤になっている遺産」についてはその全てを「遺留分」として認めるべきだと思います。
 たとえば、ある夫婦がいて、夫が亡くなった場合、持ち家であれば、住居は夫名義の資産であるのが一般的です。住居(持ち家)は妻が優先的に相続する。また、零細な自営業を親子で営んでいる場合、事業用の資産が親名義であることがあります。この親名義の資産は事業を手伝っている子供が全て受け継ぐべきです。こういうことです。いずれの場合も、遺留分を認めなければ被相続人は生活に困ってしまいます。
 ただし、それ以外は遺留分を廃止して、遺言で自由に相続させるべきです。
 渡部著『税高くして 国亡ぶ』(ワック文庫)には、「週刊朝日」1993年4月9日号を引用して、相続税の悲劇に巻き込まれた人の記事を紹介しています。

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2007年08月11日

税高くして国亡ぶ 総論五

 これは、おまけみたいなものですが、参考までに。

個人の財産が文化を発展させる

 五、現代日本人が本当に文化を想像できるようになる。
 文化の本質は「気紛れ」や「酔狂」が極まったもので、「物好きにも程がある」というのが文化だそうです。
 たとえば、秋田の平野政吉美術館があります。彼は絵が好きな大地主で藤田嗣治のパトロンだったので、彼の絵がたくさん残っているそうです。
 平野氏が藤田嗣治のパトロンになったのは彼の気紛れで、理由を聞かれても説明できない。しかし、酔狂だからこそ文化的価値が出るのです。
 税金で美術館を建てて絵を買おうと思えば、万人受けするものを買わなければならないわけですが、そんな絵は存在しえません。
 文化は好き嫌いで決まり、優劣はありません。無価値に思える絵でも、時代が経て世界的コレクションだということになる。それが文化であると、渡部氏は説きます。
 文化とは、酔狂が極まったものなので、税で育成することは無理があります。税を使うということはそれなりの理由が要るわけですが、酔狂やもの好きでは通じませんし、納得する人もいないでしょう。資産家が自分の自由になる金で自分が満足する芸術に資金を投じること以外に文化の振興はあり得ません。余裕がないところに文化は生まれないということです。

 六、給料が上がって単なる会社人間がいなくなる。
 竹内靖雄著『正義と嫉妬の経済学』(講談社)によると、サラリーマンが給料から所得税を払っているというのはフィクションだといいます。税金というのは、いったん手元に入ったお金から何がしかを政府に納めるものです。サラリーマンは源泉徴収をされ、これこれの所得税だけど、会社が払っておきますということになっています。
 所得税というよりも、「企業がその従業員の雇用と賃金支払いに見合って課せられる『雇用税』というべきもの」と述べられているそうです。意外だと思う人は多いと思います。
 もし所得税なら、給料を受け取り、個人で申告するのが筋だというわけです。どうして、源泉徴収になったかというと「税金は取りやすいところからとりやすい形で取る」という原則を財務省が実行しているためだそうです。
 この雇用税(所得税)は累進度を持っているので、可処分所得を少なくして雇用税を少なく抑え、その分を社員の為に経費で落とす(社宅、交際費、ハイヤー、秘書等)。それは会社にとってもよい話だというわけです。
 日本の重役の給料が米国等に比べ低いのはこの雇用税のせいだというわけです。一律一割の所得税ということにすれば、給料は上がるというわけです。
 非常に意外な話でした。これは、本当のところ如何なのかよく分かりませんが、しかし、源泉徴収ならば、税引きされた手取り額が給料だという意識ですが、税込み額を支給して、つまり、源泉徴収を止めて、全員が確定申告ということにすれば、サラリーマンの納税者意識は今以上に高まるといえます。それから、サラリーマンは所得を全額税務署から把握されているという不満もなくなるのではないでしょうか。
 税の使い道を監視する国民の目は今以上に厳しくなるので、一考に価すると思います。

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2007年08月10日

税高くして国亡ぶ 総論四

重税は国民を国から追い出す

 三、個人も会社も、税金に使うエネルギーを、前向きに使うようになり、海外逃亡せずにすむ。
 なまじっか働くよりも、税金を減らす努力をした方が金が残るならば、誰でもそちらの方にエネルギーを向けるでしょう。渡部氏は、具体的な節税策を主張していたが、かつて主張していた方法が、税制改正ですべてダメになって、香港に逃げ出したキュウ(丘にこざとへん)永漢氏を紹介しています。
 税率が高く、合法的な節税策も使えなくなるのでは、外国に移住せざるを得なくなるということです。税金が高いので目立たない形で外国に逃亡している人は多いはずである。稼げる能力のある人や会社は、外へ行ってしまう。と渡部氏は述べていますが、実際に起きています。
 そして、その実態が、昨年7月19日から朝日新聞に連載された「分裂にっぽん 新しき富者」に詳しく報じられました。自国の高額課税を逃れるため居住国を転々とする「永遠の旅人」が何人も出ているとのことです。また、「日本脱出」を考え始めた富裕層を対象に移住を誘うセミナーが盛んだそうです。
 以前、海外投資が流行ったそうですが、渡部氏の知り合いの愛国心が人一倍強い、ある優良企業のオーナーは海外投資をしませんでした。そのため、しこたま税金を搾り取られたそうです。
 国から逃げださない人と、逃げ出す人は逃げ出さない人方が立派でしょう。にもかかわらず、逃げ出さなかった人は税金を搾り取られ、逃げ出した人は、税金を取られないとは、愛国心がある故に罰金を取られたといえるのではないでしょうか。
 税制が愛国心を抱くことを妨げるとは、何のための税制でしょうか
 もちろん、海外に脱出する人が悪いのではありません。税制改正(改悪)で国民の財産を搾り取ろうとし、善良な国民を追い出す側が、悪いに決まっています。

税金の無駄遣いは脱税以上の罪
 先日紹介した「パーキンソンの第二法則」を裏付ける話が紹介されています。
「資料を棒読みするようなこんな退屈な会議は来年から中止にして、資料を郵便で配布するだけにしたらどうですか」
 と言ったのだ。
 ところが担当者は、
「私も退屈だと思っているのです。でも謝礼、交通費の問題があるのでやめるわけにいかないのです。予算がついていますからね。それに地方から来る人は東京に出てくることを楽しみにしているのです」
「どうして予算がついているとやめることができないのですか」
「役所はね、いったん予算がついたら使わなければならないのです」
「でも、余ってもおかしくないでしょう」
「そう簡単にはいかないのです。余ったお金を返すのはタブーみたいなものですよ」
「どうしてですか」
お金が余ったということは、その事業は重要ではないとの印象を大蔵省に与えるのです。そして次年度の予算削減対象になってしまう。事業が一つ減れば課の予算が減る。課長は喜びませんよ。出世に影響しますから
宮本政於著『お役所の掟』(講談社)

 国の予算は、国家、国民にとって本当に有益なことに使われるべきです。国にお金を返さないために不要な事業も継続するとは、本末転倒です。本来、役所の仕事がお金を使い切ることではなく、国家、国民の利益を最大化することではなかったでしょうか。
 そんなお金があるのならば、減税するべきです。

 四、海外から有能な個人、企業が日本へ逃げてくる。
 税金が安いとなれば、世界中の富が日本に集まるようになります。これにより、世界有数の財閥の一族の誰かが日本国籍を取るようになると思われます。そうすると、外交や防衛もやりやすくなります。日本国籍を取った財閥一族の人の親族が外国の首脳部と近い関係にあることは十分考えられるので、日本に有利になると考えられます。
 また、多くの外国の高額所得者が日本国籍を取ると、それだけで税収増が見込まれます。

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2007年08月09日

税高くして国亡ぶ 総論三

一律一割税制のメリット

 一、国民を一人ひとり「平等」に扱うことになる。
 言うまでもありませんが、選挙権は、「ひとり一票」です。国民が、一律の税金を負担することで世間に恥じることなく権利の主張ができる。
 人はそれぞれ、能力に違いがあるが、運も違いがある。人間は与えられた環境の中でそれぞれが自助努力をするべきだが、努力と収入が必ず結びつくとは限らない。収入の高低で国民を差別してはならない。選挙権が一律一票ならば、税金も一律一票であるべきだ。それが「代表なければ課税なし」という原則にも当てはまる。
大体このような理由です。
 税金と選挙権は必ずしも結びつくとは限りません。たとえば、在日朝鮮人に対する地方参政権の場合です。彼らが選挙権を求める理由のひとつに「日本人と同様に税金を納めている」ということがあげられます。しかし、選挙権は国民固有の権利であり、税金の多寡に関係はありません。ニートでも高額納税者でも日本国民であれば、一律一票の選挙権が保証されるのです。
 であればこそ、一律一票の選挙権を有する国民が一律一割の税金を負担するべきであるといえるのではないでしょうか。そうすることによってはじめて、本当の意味で世間に恥じることなく権利の主張ができると思います。
 
 二、「後ろ向きの仕事」をしている人がその仕事から解放される。
 米国でよくできる学生は、税金と法律の勉強ばかりしているそうです。もっとも頭の切れる人間たちを後ろ向きの仕事に投入しているわけで、米国経済が本当に強くなれるわけがなく、これが米国経済の赤字体質の一因であると渡部氏は述べられています。
 税理士という職業が後ろ向きかどうかはわかりませんが、「守り」の職種であるとはいえます。
 「守り」の仕事は非常に重要です。「攻め」るだけでは企業の健全な発展はありえないと思います。たとえば、大東亜戦争での敗因のひとつに、当時の軍部が「兵站」を軽んじたことがあげられています。兵站とは、前線の軍隊に物資を補給することをいいます。
 そういうわけで、「守り」の職業も「攻め」の職業と同様に重要ですが、片方だけでは成り立ちません。
 米国のように有能な人間が「守り」にしかつかなければ、経済は発展しないといえるでしょう。

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2007年08月08日

税高くして国亡ぶ 総論二

税金は一律一割が理想

 渡部昇一氏が、F・A・ハイエクの通訳をしたとき、ハイエクは「税率は、一割くらいでよい」と言ったそうです。
 渡部氏はそこまで下げてよいものなのかと気になったそうですが、あるとき当時、大蔵省主税局長だった水野勝氏(駐;『税高くして 国亡ぶ』では実名は出てこないが、『渡部昇一の「国益」論』(徳間書店)では実名が出ている)と会う機会があって、この件を聞くと「もし、一律に取らせて戴けるならば、10パーセントでなくて7パーセントで結構です」と答えたそうです。
 間髪をいれずに即答されたということですから、大蔵省(現財務省)自体も累進課税が絶対だと思っているわけではない、ということを物語っていると渡部氏は述べています。
 
 もし、税金を一律一割にしたらどのようなメリットがあるでしょうか。渡部氏は理由を6つ挙げています。

 一、国民を一人ひとり「平等」に扱うことになる。
 二、「後ろ向きの仕事」をしている人がその仕事から解放される。
 三、個人も会社も、税金逃れに使うエネルギーを、前向きに使えるようになり、海外逃亡せずにすむ。
 四、海外から有能な個人、企業が日本へ逃げてくる。
 五、現代日本人が本当に文化を創造できるようになる。
 六、給料が上がって単なる会社人間がいなくなる。


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税高くして国亡ぶ 総論一

累進税制の歴史
 
 累進税率を考え出して、導入したのは英国アスクィス内閣(自由党最後の内閣)で蔵相を務めていたロイド・ジョージです。1909年4月29日にいわゆる「人民の予算」を議会に提出した時、ロイド・ジョージは4時間半にもわたって熱弁をふるい、「かつてイギリスの森にいた狼が今追い払われたように、今イギリスにある貧困を同様になくそうではないか。この予算は戦時予算と思っていただきたい。」と演説を締めくくりました。「貧困に対する宣戦布告」だといいますが、果たして本当でしょうか。
 ちなみに、このロイド・ジョージという人は、マルコニー事件という疑獄事件に関与していました。
 この予算案は上院で否決されました。そして議会は解散されましたが、圧勝ということにはなりませんでした。しかし、1910年5月6日にエドワード7世が逝去したため、上院と下院に妥協のムードが出て、否決された予算案は通過しました。こうして、累進課税は近代国家に登場することになりました。

 累進課税というものは恣意的な変動が起こりうるという弱点があります。つまり、「上限はきりがない」のです。かつて最高税率は75パーセントという無茶苦茶な水準まで上がりました。「貧困に対する宣戦布告」が出した後、急激に税収が高くなったというわけではありませんでしたが、1914年にドイツに宣戦布告すると税金が上昇しだしました。
 戦争の一年目の税収は、約四千七百二十四万九千ポンドでしたが、終結して二年目は三億八千七百万ポンドで、8倍強になってしまいました。戦争は税金を取る最も効果的な口実になるわけです。戦争が終わっても復興があるから税をとり続けることができ、復興後も税は安くなりません。
 パーキンソンによると、高率課税(=累進課税)の副作用は
 一、国力喪失による国際的影響力の低下
 二、私有財産喪失による個人の自由の消滅
 三、家族の資産消滅による社会の安定性と伝統の喪失
ということになるそうです。

 1979年にサッチャー夫人が英国の首相になりました。サッチャー首相は、首相に就任すると個人所得の最高税率83パーセント(不労所得98パーセント)、最低税率33パーセントという累進税率を改めて、最高税率40パーセント、最低税率25パーセントという2段階に改めました。
 イギリスの最富裕層の上位5パーセントの人が納める税金は、減税前に比べて30パーセントも増加したといいます。

 税率が高ければ、税収が高いとは限りません。むしろ、税率が高いと、「あんまり働くのも考えものだなぁ。」と思う人が増えて、税収は伸び悩む可能性が高くなります。
 後に述べますが、あまりに税率が高すぎると税金の安い海外に脱出し、税収が減るということも起こりうるわけです(もうすでに起こっているといえます)。そうなれば、国民は貧しくなり、国力は低下します。勤労意欲がそがれる様な税制では、そうならざるを得ません。
 また、本多静六氏のように「勤倹節約」で財を蓄え、適切な投資を行って、それなりの収入なり財産がある人を蔑ろにする税制では金持ちが海外に逃げ出してしまいます。
 自助努力で収入を増やす、財産を築くということを妨げる税制、あるいは自助努力を否定する税制では、国は亡ばざるを得ないのです。

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2007年08月07日

税高くして国亡ぶ、はじめに

税金の話を書きたいと思います。
 最初は、税制に関する基本的な考え方(といっても、私の立場ですが)を紹介したいと思います。
 それを踏まえて、具体的な話を書いてみたいと思っているのですが、節税の話は書きません。なぜなら、ある種の節税策が普及すると税制改正(改悪)でその方法が使えなくなるということが実際にあるから(と、聞いております)です。
 節税は税理士さんに相談するか、適当な節税本を購入してください。

参考にするのはこの本。



 渡部昇一氏の本です。私が、保守の世界に目覚める(?)きっかけになった本は、渡部昇一・谷沢永一著『広辞苑の嘘』(光文社)です。
 であるからこそ、渡部昇一氏には特別な思い入れがあります。

前置きはこれくらいにして、本題に入りたいと思います。

税金は組織を肥大化するために使われる
 C・N・パーキンソンという人がいます。税金の限界について、誠に深い考察を行った人として上の本で紹介されています。
パーキンソンは、英国海軍の組織を分析して「組織は、ひとたび成立すると、仕事の有無とは関係なく肥大化する」と言う有名な法則を発見しました。これが「パーキンソンの第一法則」です。それほど有名ではないのですが、「パーキンソンの第二法則」というものがあります。これは「(政府と言うものは)お金は入っただけ、必ず使うという、税金の本質を突いたものです。
 
 少し前に、道路特定財源を一般財源化するという話がありました。しかし、「特定財源」なのですから、お金が余るのであれば「税金を安くする」のが筋ではないでしょうか。
 個人的にはドライバーの交通マナーの悪さをつくづく感じているので、揮発油税や重量税は3倍以上にするべき(運輸業以外)だとムシャクシャしたときには思うのですが、それはあくまで感情論です。
 冷静に考えて財源が必要でないならば、減税をする。これは当然のことです。でなければ、必要でない道路を予算消化の為(組織維持のため)に無計画に造ることになり、環境を破壊し、特定の利権を守るだけです。
 一般財源化するというのも同様に筋が通らないのです。マスコミは「国の借金が焼く1000兆円ある。これは財政再建をしなければ大変だ。増税しなければ破綻するぞ」などとことあるごとに喧伝しています。もっともなところもありますが、これは、明らかに政府(財務省の官僚)にいいように利用されているといえます。なぜなら危機を煽れば増税する理由がもっともらしく聞こえ、増税しやすくなるからです。
 
 先ほどの「パーキンソンの法則」に戻ると、道路特定財源をそのまま維持しても、一般財源化しても「(政府というものは)お金は入っただけ、必ず使」い、それは、政府という組織が「仕事の有無と関係なく肥大化する」ために使われてしまうのです。
 だから、テレビや新聞が税金の無駄遣いの実態をどこからか探し出してきてこれでもか、これでもか、と批判することは、癪に障ることもありますが、これはとてもよいことです。どんどんやればよい。しかし、「そんなお金があるのなら、福祉に使え」という具合になっては無駄遣いする官僚と変わりません。無駄遣いがあるのなら「そんなお金があるのなら、減税しろ(若しくは国債償却)」というべきです。
 「お金は入っただけ使われる」のですから、官僚に余計なお金を持たせてはなりません。国の予算は国民の税金です。官僚にとっては「他人の金」です。
 「他人の金」と「あぶく銭」は無駄遣いされるというのは宿命です。

以下は、アメリカのリバータリアン系の経済学者の言葉だそうです。
政治指導者が賢明であろうと凡庸であろうと、我々の目的は、役人がもたらすダメージを制限することであるべきだ。福祉問題の「解決」だとか、教育問題の「改善」だとか・・・、そういうことを政治家に要求してはいけない。そういうことは専門家にも解決できない難問なのだ。我々が現在の指導者にそれらの問題の解決を迫れば迫るほど、政治家は問題をより深刻化させてしまうだけだ。

政府の問題は、権力の座にある人間に起因するという考え方は危険だ。偉大な指導者がいれば、うまく政府を動かしてすべての問題を解決してくれるいうのは神話でしかない。凡庸な指導者だろうと賢明な指導者だろうと、政府の拡大にこそ、我々は目を光らせなければならないのだ。


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参考:
 役人に余計な金を持たせるな Meine Sache〜マイネ・ザッヘ〜
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2007年07月06日

「国の税収は49兆690億円」一考

国の税収は49兆690億円 予算割れで国債増発圧力 朝日新聞
2007年07月04日19時39分

 財務省は4日、国の06年度一般会計決算の概要を正式発表した。税収は補正予算での見込み額を1兆3989億円下回ったものの、税外収入が見込みを4250億円上回り、歳出面でも1兆8060億円の使い残しが出た結果、8286億円の純剰余金が発生した。

 国債の追加発行は避けられたものの、税収の伸び悩みは、07年度以降に国債発行額を膨らませる要因となる。

 税収は前年度より36億円多い49兆690億円で、わずかな幅ながら3年連続の増収。政府は昨年末の補正予算で税収見通しを約4兆6000億円上方修正したが、結果的にこれを下回り、4年ぶりの予算割れとなった。

 06年度は前年度に比べて、国から地方への税源移譲などの税制変更が7000億円分の減収要因となった。このため、財務省は「税収全体の増加基調は変わっていない」と説明する。純剰余金が出たのは5年連続で、財務省はこの多くを既存の借金返済に充てる方針だ。

 国債を追加発行する事態が避けられたのは、政府の財政再建努力以外の要因が大きいのが実情だ。税外収入の伸びの多くは日銀からの納付金で、歳出の使い残しも、市場金利が想定より低く、国債の利払い費が抑えられた影響が大きかった。こうした「追い風」がなくなると、今後の財政運営は厳しくなる。

 政府は07年度税収を53兆4670億円と見込むが、算定の土台となる経済指標は、06年度補正予算を組む時にも使われたもの。06年度の予算割れは、07年度税収の下ぶれ要因にもなる。政府が07年度に25兆4320億円を予定する新規国債発行枠を守れるかは、経済情勢と予算執行の効率化にかかっている。


 朝日は、日銀からの納付金や、市場金利が想定より低く、国債の利払い費が抑えられたため、税収は見込みより少なくても国債の追加発行は抑えられたとしています。
 一言加えるとすれば、国債は「国民の借金」であるかのように喧伝されていますが(例:国民一人あたり××万円の借金)、実際は「国民の資産」です。実際国債の95パーセントは国内の投資家が保有しています。(参考:国債、海外投資家にPR) まぁ、「国の借金」であることには変わりないので、借金は返せる範囲で計画的でしなければなりませんが。
 さて、4年ぶりの予算割れとなった2006年度の税収ですが、この年度から、「同族会社の役員報酬の一部損金不算入」という制度が導入されました。「同族関係者が90%以上の株式を所有」し、「常勤役員の過半数が同族」の場合、その業務を主宰する役員報酬(通常、社長報酬のこと)の「給与所得控除相当額」が損金にならないというものです
 社長報酬と法人所得の合計額の直前3年平均額が、
 1)800万円以下の場合、
 2)800万円超3,000万円以下の場合で社長報酬額が50%以下のとき
と適用除外の規定も設けられていますが、普通の会社員には認められている「給与所得控除」が中小企業(とその経営者)には認められないというのはおかしな話です。
 「景気が回復した」といわれますが、2006年4〜6月期の資本金10億円以上の企業の経常利益は前年同期比17.8%増で、資本金1億〜10億円の企業の経常利益は前年同時期比21.9%増ですが、資本金1,000万〜1億円の企業の経常利益は前年同時期比−6.5%減となっています。
 中小企業は経営基盤が大企業に比べ脆弱であるわけですから、内部留保や役員報酬を個人的に積立てて、不測の事態に備える必要があるわけですが、上記のような状況があるにもかかわらず、「中小企業限定の増税」(日本IBMや富士ゼロックスやTBSのような大企業には適応されない。念の為)が行われるようでは中小企業経営者のモチベーションが下がり、これから起業しようという人もやる気をそがれることでしょう。
 こういう、セコイ税制のもとで、税収が減るのは必然であるといえるでしょう。

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参考:
同族会社の役員報酬一部損金不算入改正 allabout
(財務省「法人企業統計調査」)
posted by つるり at 22:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 税制 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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